AIを使ったプログラム開発(AIコーディング)は、作業スピードを大幅に上げる便利な手法です。
しかし今、「テストでは正常に動くのに、本番環境でシステムが壊れる」という新しいリスクが注目されています。
IT専門部門がない中小企業でも、外注先や社内ツールでAIが使われていれば、他人事ではありません。
「動くのに壊れるバグ」とは何か?
AIが書いたコードは、テスト段階では問題なく動作します。
ところが、実際のビジネスデータや高負荷な状況、特定の条件が重なった瞬間に、突然エラーが発生することがあります。
これが「動くのに壊れるバグ」の正体です。
従来の開発では、経験豊富なエンジニアが「こんな使われ方をしたら?」を想定しながらコードを書いていました。
AIはそうした「現場の文脈」を読み取ることが苦手です。
結果として、テストをくぐり抜ける”落とし穴”が以前より増えています。
中小企業への影響は?
システム開発を外注している会社は、発注先がAIコーディングを活用している可能性があります。
完成品が「動いている間」は問題ありませんが、繁忙期や特定の操作がきっかけで障害が起きるリスクがあります。
社内でノーコード・ローコードツール(プログラミングなしでシステムを作れるツール)を使っている場合も同様です。
AIが自動生成した部分が「ブラックボックス(中身が見えない状態)」になりやすく、トラブル発生時に原因を特定しにくくなります。
今すぐできること3つ
- 外注先に「AIコーディングの利用有無と、品質チェックの方法」を確認する。どんなテストをしているか聞くだけで、リスクの把握につながります。
- 新機能を本番環境に適用する際は、いきなり全体ではなく「小さな範囲から段階的に」導入するよう依頼する。問題があっても被害を最小限に抑えられます。
- 「今動いているから大丈夫」だけに頼らず、月1回程度の基本動作確認をルーティン化する。小さな異変に早く気づける仕組みを作ることが大切です。
AIコーディングは今後ますます広がる流れです。
発注者・利用者として「少しだけ確認の目を持つ」ことが、思わぬトラブルを防ぐ一歩になります。
